ダイハード版24 -TWENTY FOUR-★73点(100点満点)
足かけ20年に及ぶシリーズモノになった「ダイ・ハード4.0」。てっきり3で打ち止めだと思ったら、4.0まであるとのこと。最初に言っておくと面白い。「その割りに点数低くない?」と思った人はご明察、その理由は後ほど。しかも、ぱっと見判るけど、今回のレビューは長いよ。それだけ見所たくさん。未見の人は▽▼ネタバレあり▽▼より下は見ない方がいい。
つい先日、ダイ・ハードを見た身からすると、20年の進化はものすごいモノがある。実際に主人公がマクレーン刑事というだけで、全く別の映画だと思う。ダイ・ハード(なかなか死なない)というコンセプトを活かしつつ、進化し続けている。 ブルース・ウイルスが50歳を超えているのに、昔以上のアクションをしているのはただただ脱帽するばかり。アクション度は大幅にアップしている。ほぼ映画の冒頭からエンジンフル回転。実は上の短評を「オールアクション大進撃」にしようとしてたけど、自分なりにボツ。だけど、それくらい今までのすべてのアクション要素が濃縮されている。もはや希釈不可能。しかもすべてにおいてスケールアップしている。アクション要素が濃縮とは、過去のアクション大作のいいとこ取りされていると言うこと。これらは「オマージュ」したのか、パクったのかは微妙なところ。とにかくこれだけやり尽くしたら、もうやること無いよと言えるくらいすべてこの映画でやっている。これ今のハリウッド映画の悲劇。カーチェースだけで喜んでいた時代が良かったよね。
この映画がこれだけすごくなったのは、もはやこうするしかなくなった切羽詰まったからですな。どうしてこれくらいクドく書くかというと、それくらい盛り込んでいるから。ハッカー+全米で暗躍する謎のテロリストは「24 -TWENTY FOUR- 」から、テロリストの実行部隊・戦闘員は同じ「24 -TWENTY FOUR-」と「YAMAKASI
」。マギーQが扮するカンフー忍者こと女性テロリスト、マリは「ターミネーター3
」の敵の女ロボットT-Xか「チャーリーズ・エンジェル
」ですな。豪華なのは敵キャラだけではない。アクションシーンも同様。冒頭の銃撃シーンはまだまだ序の口。先のYAMAKASIは、冒頭の銃撃シーンから中盤辺りまで大活躍。カーチェイスにカーアクション、もはやなんでもあり。車でテロリストをボンネットに乗せたままエレベーターまで突っ込むのは、たまたまみたターミネーター3の女ターミネータとのシーンそのもの。ブルース自身も「プロジェクトA
」バリのアクション?をこなしている。彼自身ではないだろうが。終盤で登場する戦闘機は、まだ配備されていないF-35しかも、VTOLのB型(と思われる)まで、登場させて、高架を大破壊の大騒ぎ。これはおそらく「トゥルーライズ
」から。あの時はハリアーだった。
ってな感じで、何でもアリなのがこの映画。どこまで参考にしてどこまで参考にしていないのかは判らないけど、今までのこれはいい!ってなアクションや考えられるだけのアクションをギュウギュウに詰め込みに詰め込んでいる。もう、コレが出ちゃったら、以降やることないでしょう。
▽▼ネタバレあり▽▼
マクレーン刑事は、容疑者のハッカーをFBIに連行しようとする中、テロリストに襲撃に巻き込まれるハメに。
そのハッカーを演じるのが、ジャスティン・ロング。ハリウッドでは今まであまり見たことないタイプだけに新鮮。因みにこの人は、今日本でも流れているアップルのCM(日本ではラーメンズ)の元祖アメリカ版のMAC役の人。イメージを背負ったまま、本作ではハッカー役に。向こうでのオタクっぽい役者なんだろうか。日本で言えば劇団ひとりかなw。演技はなかなか良いね。この手の役だと、常に弱々しく頼りないキャラばっかりだったけど、この人のはしっかりしている。問題は敵側。
MI:3にも出ていたマギーQが活躍するのかと思いきや、早々に退場。予想以上に早い展開に少々がっかり。他の脇の敵役は置いておいて、敵のボスに今ひとつ存在感がない。攻撃のほとんどがサイバー攻撃だってのもあるけどね。実働部隊の「YAMAKASI」も中盤までには退場するせいか、中盤以降のアクションシーンがハデな割に敵が地味で、ただの消化試合っぽくなっている。敵の数で勝負しているのは「24-TWENTY FOUR-」の悪い影響かな。最初の方のシーンですごい数のテロリストを見せているのに、実際に戦って消えていく敵の数とマクレーンが倒した数を比べると、明らかに何にもせずに消えて行ってる敵が多いことw。
実はココがポイントで、ダイ・ハードシリーズのいい部分、シナリオの良さが本作では薄くなっている。映画の冒頭では、サイバー攻撃用のプログラム作成を手伝った、大勢のハッカーを一人一人殺害するほどの人員がそろっているのに、後半は人材不足気味。もちろん、マクレーンが関係しないところで倒されているんだろうけどね。ハッカー殺害の為の人員と政府の重要拠点襲撃・制圧のための人員の数があまり変わらないのってどうなのよ?このへんのシナリオの曖昧さは明らかに「24-TWENTY FOUR-」の影響。ここまでくると、今回登場するマクレーンの娘が、「24-TWENTY FOUR-」の主人公ジャック・バウアーの娘のキムと重なる。彼女みたいにアクシデントを引き起こしたりはしないけどね。
今のアメリカの映画の傾向が、911以降はテロとの闘いに傾いている。冷戦と違い国家間の戦いではないので、どうしてもその行動の展開が同じ様なモノになる。そこにストーリー上の行き詰まった状況が見えてくる。しょうがないので過去のアクション大作の全て盛り込んで豪華にしたのが本作。ここまで書いて読み直すと批判的な部分が多いようだけど、実際は面白いよ。ただ、一応映画評論ブログなので、その辺はつっこんでおく。ただ、アクション好きで数多く見ている人にはそんな理由で物足りないかも。だから点数を下げることに。その当たりが気にならなければ+10~20点してもいいと思う。どハデさは史上最高。変に生物兵器や化学兵器を持ち出さなくてよかった。それがあったらまんま「24-TWENTY FOUR-」だから。
これはアクション映画の宝石箱や(偽麻呂)

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