野獣死すべし

鬼気迫る松田優作の演技。あの表情はゾッっとする ★★★★★ 91点(100点満点)


 「蘇える金狼」に続いて、エントリーの松田優作+村川透のコンビの「野獣死すべし」。かなり前に深夜で何作か連続で放送していたのをいまごろになって鑑賞。

▽▼ネタバレあり▽▼


 警官の拳銃が奪われる事件が発生し、直後に闇カジノが襲撃され違法カジノの売上金が強奪される。.元戦場カメラマンの伊達の犯行だった。その後銀行の強奪を企てるが、、、、

 ハードボイルドなストーリーはお得意で、よく松田優作でありがちな斜に構えておどけた演技は封印され、一貫して鬼気迫る狂気を演じている。ストーリーも一分の隙もなく、その極限の世界を映像化している。この映画の特徴は一部のシーンで際だった画面構成とその間(ま)、わざと排除した音声など。冒頭の警察官を襲うシーンでは、遠隔からの引き気味の固定映像のみで、それを表現している。いくつかのシーンで同様の表現がされ、その間を味わえる演出になっている。

 映画の中での松田優作のその眼光は尋常ではない。何でもこの映画のために体重を落とし、更に際だたせるために奥歯を数本抜いたとか。それが本当だかどうかは判らないが、この映画での表情は際だっている。その演技が後半になっていよいよ佳境に入っていく。ラストシーンは狂気そのもの。そのシーンは映像の演出も含め背筋が凍るほど。個人的にやや舞台的な演出がやや気になった。もはや松田優作の独壇場なのでこのような演出もあるのかも知れないが、やはり映画を観ているので、映画的な演出を期待したいところ。

 単にアクションと言うだけでなく、その狂気の演技は特筆すべきところ。前半のエンターテインメント性は薄れ、後半はその狂気のみが描かれていく。おそらくこのレベルでの映画はしばらくは邦画ではできないだろう。私としてはイチオシだけど、決して万人向けする映画ではないことは確か。男性向けかな。

途中自らのこめかみに銃口を向けるシーンの顔色が異常。あれは化粧などしていないのだろうか。

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