もののけ姫

米良さんが主人公ではないですよ。美輪さんも(ry★94点(100点満点)

 数ある宮崎作品の中で最高の作品だと思うこの「もののけ姫」。公開当初は、和風の作品がとても意外に感じたんだもんで、こんな作品もアリなのかなと認識した次第で。それまでアニメの作品で、中世の日本をを題材にしたのは一休さん以来だったと思う。それ以降、数度観たけど、観れば観るほど新しい発見がある作品。判らなければ判らないで表面をなぞっても、作品として優れているので楽しめる。

 他の宮崎アニメと違って、子供向け要素が無い。宮崎作品には珍しく、首は飛ぶし、手もチョン切れるし、グロい描写が出てくるのは、物語には欠かせないとはいえ、いままでの作品とは別物だと感じさせる。もう一つ他の宮崎作品とは違う特徴は、従来だとあまり触れたがらない、微妙な問題を取り入れているところ。ハンセン氏病らしき患者の描写があり、売られた女性を受け入れるという表現があり。これらをみるだけで、子供向けではないというのがわかるでしょ。

▽▼ネタバレあり▽▼


 アイヌ民族がモデルとされる遠く東の集落出身のアシタカ、人間でありながら山犬の神に育てられ森林を破壊する人間と敵対するサン、合理主義者でたたら製鉄により村の存続を図るエボシと、正体不明の坊主ジコ坊と、ひと癖ふた癖もあるキャラが複雑に絡み合っている。宮崎作品ではこの作品だけではないが、厳然たる敵というものが存在しない。特にこの作品ではその色が濃く、当初敵のような存在のエボシも、もう一つのハンセン病患者や売られた娘たちの保護を見せることによって、二元論的な側面を色濃く反映させている。

 また、この映画に様々出現する神が、必ずしも善の具現化された存在ではなく、神道的な存在である、人間と共存し、なおかつ畏れを抱かせる存在であるところが、この作品の特殊なところである。おそらくこの神道的な世界観を、ここまで忠実に著した作品は他には例を見ないかも。


 また、時代背景が戦国時代でありながら、有名戦国大名がほとんど出てこない上に、実際の歴史と、この物語の上でのフィクションの部分が混同されて、更にはかなりマニアックな民俗伝承を加えているあたりが物語を複雑にし、濃度の濃いストーリーを作り出している。ただ、そのことがすべて分らなくても、表面的なストーリーは分りやすく、どこまで分るかは観る者の知識に委ねられているところである。(自分自身がすべて分っているとは思えないが・・・・)

 肝心のアニメの画像も言うまでもなくGood!声優も宮崎アニメの場合は要所要所に俳優を使っていて、声優っぽい発声をうまいところ排除しているので、アニメファンでない者が観ても程良く迫力があってとても良い。石田ゆり子のさんはやや迫力不足ながら、物語が進むにつれて安定感が出てきたような気がする。ジコ坊の小林薫には恐れ入った。最近は洋物回帰の宮崎アニメ。また和風アニメも作らないのかな。

 美輪明宏は声だけでも妖しさが漂ってるね。

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