問題はこのつまらなさが意図したものかどうかというところ ☆ 5点(100点満点)
前作TAKESHIS'に引き続いてかなりの実験的な作品で、コメディアンであるたけしの本領発揮のできる映画である(ハズ)。
まず、この映画の間口が極端に狭い。たけしがすごく好きだとか、北野映画のフリークだという人以外は観ない方が身のため。その上で入場料はもとより上演時間を無駄にしてもいいという人にはもってこいの映画。北野映画好きなので、ついつい怖いモノ見たさに・・・・・(「みんな~やってるか!」は未見だけど) 。
ところでビートたけしのコントを観たことあるだろうか?「オレたちひょうきん族」ではなく、たけしが考えたコント。あれを面白いと感じる人にはこの作品は面白くてしょうがないだろう。この映画は真に北野流ギャグのオンパレード。今回の映画の数々の要素はかつて自らの番組などで口にしている物で、それを映像化した物と言えるだろう。個人的にはトークは評価してもコントは楽しめたことがないので、観ていてストレスがたまる映画になった。
▽▼ネタバレあり▽▼
前半は小津安二郎風、昭和30年代、時代劇、SF、恋愛、ホラーとそれぞれのシチュエーションにあわせた映像を撮り、それに編集レベルでのオチをつけたシチュエーションコメディーになっている。他の映画のオマージュとおぼしきシーンや、北野監督の過去の作品を連想させるシーンを重ねている。個々のシーンそのものは、ほぼシリアスな調子で進んでいく。そのため抑えられた調子の笑いが断続的に提供される。一部で小手先な笑いを求めたきらいがあるが、それを排除すれば北野監督が良質なシットコムを提供できるのではと期待させる。ただ全体に笑いのレベルは低調で、笑いに対する沸点が低い人なら問題はないが、耐性のある人にとっては全くボディーブローにはならないのである。ただ昭和30年代についてはやはり秀逸。監督が「ALWAYS 三丁目の夕日」に対して言っていた、「本当の30年代はそんなんじゃない」を見事に映像化している(コレが真の30年代とは思わないが)。
後半はナンセンスコメディーと化す。江守徹が扮する東大泉、井手らっきょの井手博士、岸本&鈴木杏の親子、たけしくん人形(ビートたけしの身代わり)らが繰り広げるドタバタに変貌。これは前半よりも速いテンポでギャグが繰り広げられるが、ほとんどがたけし流お約束ギャグ。ダチョウ倶楽部の上島とか吉本新喜劇とか定番ギャグが好きな人にとっては笑いの連続だろうが、あの手の笑いが好きではない僕にはただただ退屈。時間が長かった・・・・・
最後のシーンで北野監督の健康診断で医者のひと言「壊れてますね」、このセリフがこの映画のすべて。問題は「壊れてますね」が意図したものかどうかというところで、もし意図してつくったのなら北野監督天晴れだと思う。いくら商業的要素が薄い監督の作品でもここまで映画が「壊れている」のならば、そのフロンティア精神は賞賛に値すると思う。評価も+90点はあっても良い。ただ、「壊れている」を装っているのならそれは外連味に満ちた作品である。評価として後者を採ったのは、最初で触れたが、ビートたけしとしてのコントで面白いのを観たことがないと言うこと。彼はトークが面白いのであって、コントは面白くないと思う。もしその面白くないモノへの言い訳を「壊れている」としてオトしているのなら、クソ映画として歴史に残る。そこまでお笑いに造詣が深くないので、最終的な判断は保留。
良くも悪くも自分のお笑いレベルが判る作品





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