69 sixty nine

すべてにおいておしい映画 ★★★ 60点(100点満点)

 このブログでもたびたび書いているが、映画の善し悪しを決める大きな要素が脚本の出来。しかし、映画の作品としての出来が必ずしも脚本の出来に直接影響しないのが難しいところ。たいていの場合、監督の手腕によって、その映画自体の評価が決まる場合が多いので、どうしても監督の影に隠れがちなのが脚本家の宿命。それでも脚本で客が呼べる希有な存在の一人が、この映画「69 sixty nine」の脚本家である宮藤勘九郎。

 ちなみにタイトルの69は1969年のことらしいが、別の意味ではと勘ぐってしまうのは作品に数多く盛り込まれる下ネタのせい。その下ネタのレベルが主人公である高校生レベルなので、正直僕には楽しめない。下ネタに限らずこの映画には多くのネタが盛り込まれているのだが、こうした対象年齢限定のネタも数多いため、1969年に生まれておらず、しかも高校生でもない僕のような存在には消化不良だ。1969年に高校生だった人がいたらその評価を聞いてみたいモノ。この消化不良の原因は単に僕向きのネタ不足から来るだけでなく、主人公の妻夫木聡と安藤政信の配役のせいだと思う。

 先に言っておくと、二人の演技が悪いわけではない。むしろ演技は良く、しかも安藤の九州なまりの強いセリフは賞賛されるべきと思う。ただ、二 人 は 爽 や か す ぎ る。下ネタをやってもイヤラシくないのだが、その分あっさりと流れてしまう。それを補うためかより過激な表現を使っているがそれすら軽く流してしまうのが二人の存在。その辺が面白い感覚を作り出しているのもこの映画の特徴。

▽▼ネタバレあり▽▼


 物語のほとんどが高校生にありがちな妄想と突飛な行動に終始する。主人公の憧れの女の子の言葉を、妄想で「デモやらバリケードやらする人が好き」にねじ曲げ、高校をバリ封(バリケード封鎖)したり、雑誌で見たアメリカのヒッピー達のロックフェスティバルに憧れ、フェスティバルの開催を計画するのがストーリー。特に強いメッセージ性があるわけでもなく、小ネタや行き当たりばったりの行動に終始する。それぞれのネタのレベルはそこそこ高いものの、肝心のストーリーがほとんどなく、青春ドラマ、コメディーなどの要素があるものの、どれかが抜きに出ているわけでもないので、とにかく「すべてにおいておしい」の一言に尽きる。当時の同年代の人なら、それなりに感情移入できるのだろうが、残念ながらナウでヤングな僕には今ひとつ入り込めない。でも、その年代の人があの手の下ネタやウンコネタを喜ぶのか疑問だ。今ひとつ誰を対象にしたのか判らない作品。タイトルと同じ69点にしようかと思ったけど、そこまではない。

この映画で許せないのが二つある、下手なCreamのコピーバンドとラストのオチ
 

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 69 sixty nine

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://movie.vl0o0lv.com/mt/mt-tb.cgi/60

コメントする

はてなRSSに追加
Add to Google
My Yahoo!に追加

にほんブログ村 映画ブログへ

アーカイブ

Creative Commons License
このブログのライセンスは クリエイティブ・コモンズライセンス.
Powered by Movable Type 4.13