ロード・トゥ・パーディション

渋い名優を揃えた渋い名作★82点(100点満点)

 よくよく見ると名優揃いの作品「ロード・トゥ・パーディション」。最初に観た当時は、トム・ハンクスとポールニューマンしか気がつかなかったけど、よくよく観るとジュード・ロウ。更に驚きなのが「007 カジノ・ロワイヤル」で、新ジェームス・ボンドになったダニエル・グレイクがマフィアのボスのダメ息子役。ダニエル・グレイクの役へのハマり方はすごいね。007では観られない軽薄なボスの息子の役の演技がぴたりとハマる。とても同一人物には思えない。

 ポール・ニューマンは良いけどマフィアのボスとしてはどうかな。顔つきが優しいし、貫禄はあっても気迫がない。トム・ハンクスはいつもの感じ。この人上手いんだけど、あまり好きではない役者の1人かな。「レッド・ドラゴン」のエントリーで書いた、エドワード・ノートンと同じ理由。この人が出るとトム・ハンクスワールドになるから。だけど、この映画ではやはり「レッド・ドラゴン」の時と同じ理由で受け入れられた。脇を固めるのが名優揃いなので、他の役者との調和がとれている。ジュード・ロウも二枚目ながら、自分が殺した死体の写真を撮るという、ややサイコの入った刺客役で登場している。途中ハゲヅラまで店ながら好演。ネチっこく主人公に迫っていくやり方は恐怖を感じる。


▽▼ネタバレあり▽▼


 自らの失敗を隠すため、父のもっとも信頼する部下の妻と子供を殺害したマフィアのボスの息子。やむを得ず息子を守るために元の右腕の殺害を画策する。辛くも生き残ったもう一人の息子と逃げ復讐の機会をうかがうが・・・・・

 ストーリーはなかなか良いのだが、全体を覆う暗く陰鬱な雰囲気はもう少し和らいだ方が良かった。ストーリーからして明るい話ではあるはずもないんだが、トム・ハンクスの演じる主人公のキャラが無表情な上、他のキャラクターも無愛想な人物ばかりなのでメリハリがない。唯一暖かい感じなのがポール・ニューマン演じるボスだが、後半は時々しか出てこないので、それを解消するには至っていない。俳優陣の演技がすばらしいだけに、この雰囲気を出している演出はかなりのマイナス。これさえどうにかなっていたら、もうワンランク上の評価だったと思う。

 ストーリーも良く細かいところ、主人公と他のボスとの駆け引きや、殺し屋との駆け引きは絶妙。ただラストはあまりに悲劇的。演出なのかシナリオ上なのかは判らないが、それを含めて全体的に暗くなりすぎたのが残念。

歴史に残る作品になり損ねた作品。

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