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これを現在の政治状況と重ね合わせてどのように考えるか★89点(100点満点)

 911事件以降増えたのがアラブ社会を題材にしたもの。それは様々でアメリカ国内のアラブ系移民を扱った物からこの「キングダム・オブ・ヘブン」の様に、過去までさかのぼってイスラム社会とキリスト教社会の対立を描いた物まで様々。その中でこの映画は限定的な状況下で、イスラムとキリスト社会の共存に触れている、希有な作品と言えるかもしれない。監督はリドリー・スコットでさすがその辺りのバランス感覚は優れている。

 第二回十字軍を題材にしたものの、僕自身がこのあたりに詳しくないので、史実との整合性は保留。ただ、主人公は実在しないようで、いくつかの点で脚色があるらしい。ただ、大枠での歴史の流れは史実通りで、エルサレム王国の滅亡までを描いている。ただ、この映画のテーマは異文化、特にイスラム社会との共存なので、些末な部分の脚色は気にならないだろう。

▽▼ネタバレあり▽▼
 


主演:ロナウジーニョ、ゴールに向かってダッシュ!ダッシュ! ★★★★ 84点(100点満点)

 「パッション」でガッポリ儲けたメル・ギブソン。柳の下の二匹目のドジョウよろしく、全編マヤ語で挑んだ本作。二匹目のは冗談だとして、「パッション」が英語以外の言語で映画を制作する走りになったことは明らか。「アメリカ人は字幕を読むのに慣れていないのでヒットしない」というジンクスを見事に破った。しかも本作では滅亡したマヤ文明で観客に迫る。

 そもそもマヤに関する基本的な知識が乏しいので、映画の中で描かれているマヤ文明が本来の姿を描き出しているかは判らない。映画の冒頭で仲間達と狩りをした後の談笑のシーンでは、姿形はマヤ人なれどアメリカ人ぽい仕草振る舞いを感じる。

 ただ、そんなことを言っていられるのもそこまでで、事態が急変してからはラストまで息をつかせぬ展開が始まることになる。注意しておかないとイケないことは、本作ではリアルさを追求したせいかグロいシーンが多いこと、狩りで動物が狩られるのはまだまだ序の口。矢が刺さったり槍が刺さったりと、見ていて痛々しいことこの上ない。このことや他の様々な理由で、テレビ放映は難しく、また放映されるとしても大幅カットは余儀なくされると思うので、興味がある人は今のうちにに映画館で観ることをお勧めする。

▽▼ネタバレあり▽▼


あ、そう ★★★★ 75点(100点満点)

 あまり期待していなかった映画が面白いと喜びが倍増する典型の映画。最初に断っておくとエンターテインメント性は皆無なので、そこのところよろしく。イッセー尾形好きか終戦前後の歴史が好きな人のみのニッチな映画ではある。それが「太陽」。

 そもそも皇室は、僕ら一般人が判らない領域で、しかも情報があったとしても左右どちらかのバイアスが必ずかかる分野なので、この映画のそのあたりの史実を検証するのは不可能。いくつかの点でおかしいなと感じる部分がないわけでもないが、そのあたりは歴史家に任せるとして映画の内容を。

▽▼ネタバレあり▽▼


虎の穴からはい出た勇者300人、敵をバッタバッタぶった斬り ★★★ 55点(100点満点)

 なんでも海の向こうのアメリカでは大ヒットで、しかもこの映画に対して、ペルシャ帝国の末裔を自認するイラン人がご立腹なのだそうで、見る前からそんなサイドストーリーがてんこ盛りなのがこれ「300(スリーハンドレッド)」。原作がアメコミなんだが、しかも古代史を扱っているという、アメコミというとスーパーヒーローしか思い浮かばない僕は典型的な日本人ですな。

 でも、アメコミにしろ古代史をテーマにした映画にしろ、日本での評価っていまいちなんだよね。どちらも日本人になじみが薄いから、まあわかるけどね。個人的に古代史、特にローマ帝国ものとかは大好きで、アメコミもまあまあ観る方なので、とりあえずはOK(なにがや。正直楽しみな一本。

▽▼ネタバレあり▽▼


世界は一家、人類は皆兄弟 ★★★ 63点(100点満点)

 「アレキサンダー」の公開当初、ギリシャから映画の表現方法に抗議があったとか。そのものずばりアレキサンダーのゲイ描写について。

 アレキサンダーに関する知識はあんまりない僕にとって、映画を観たあとにWikipediaで調べて少し知識を補った程度で、アレキサンダーがゲイかどうかの議論には加われないが、ただ、いくつか調べてみると、ゲイではないという説と、バイセクシャルであるという説があるらしく、真相は藪の中。まあ、2000年以上も前の人物がゲイかどうかなんて判らないですな。おそらくこの描写の部分が第一に引っかかるポイント。

 もう一つは、アレキサンダー大王を演じるコリン・ファレルについての是非。この二つが論点になることに全く意義なし!この議論は後ほどで、先に映画全体の感想。

 アレキサンダーを中心にその人物を描くことに重きを置いた作品。その生涯に渡って描いているため、かなりはしょってる。正直はしょりすぎで歴史に詳しくないと判りにくい。戦いも転機になるガウガメラの戦いとインドの遠征のみ、途中は征服したことだけをかなりサラリと飛ばし気味で描いてます。3時間弱の上映時間の作品にもかかわらず描ききれないのは、生涯を描いた事による絶対的な時間の足りなさで、その生涯を描こうとしたのに無理があったのではと思うんですな。

▽▼ネタバレあり▽▼


硫黄島の悲壮感が伝わってくる名作 ★★★★★ 92点(100点満点)

 今回は「父親たちの星条旗」に続く、クリント・イーストウッドによる硫黄島シリーズ第二弾「硫黄島からの手紙」。「父親たちの星条旗」とは、基本的につながりがないので、単独でも問題なし。やはり題材が硬派なだけに観る人を選ぶかも。少なくとも二宮目当てのジャニタレファン向けでないことは確か。ファンはどのような評価を下すか少しだけ気になる。

 前作とはかわり、日本軍側からの視点。物語は、渡辺謙が演じる栗林中将と、嵐の西宮が演じる西郷の二つの視点から交互に進んでいく。絶望的な状況下で、最大の成果を出そうと孤軍奮闘する栗林中将と、パン屋から徴兵され何とか生き延びようとする西郷。対照的な存在であるというところが深みを与えてくれる。


▽▼ネタバレあり▽▼


1時間分くらいカットすればかなり良い映画 ★★ 46点(100点満点)

 HDレコーダの奥に眠っていた「壬生義士伝」いいかげんHDの容量が満杯に近いので観ることに。いったいいつ放送したのかね。おそらく正月くらいかな。

 時は幕末、中井貴一が演じる吉村が新撰組に入隊するところから始まる。時代は尊王攘夷派におされ、薩長の新政府軍によって掌握され、新撰組は崩壊というのがメインストーリーだが、あくまでもそれらは物語の舞台で、その中の人々の生き様が話の中心なんですな。


▼▽ネタばれ▼▽


歴史考証がなければ、オシャレにすればいいのよ ★★★ 54点(100点満点)

 言わずとしれた「パンがなければケーキを食べればいいのよ」の「マリー・アントワネット」。ただ、本人が言ったとか、言わないとか。それはさておき、コッポラ娘(この人の話はまたいずれ)の手によりオシャレな作品に仕上がってますな。

 まず気になるのは登場人物が全員英語。ハリウッドの作品なので当たり前と言ったら当たり前だが、これ見て思ったのは、アメリカ英語はこのようなロイヤルファミリーのストーリーに似合わないですな。アメリカ英語は多分に現代的で力強い発音のせいか、雅(みやび)な王族貴族のストーリーには適さない。その点イギリス英語やフランス語にはそれを感じる。日本語で言えば「~おじゃる」だが(本当におじゃるって言ってたのかな)。

 話を戻すと、コッポラ娘の手により、「マリー・アントワネット」の淡い恋のオシャレ映画で、ごく普通の女性のように描かれているんですな。夫に愛されず、おしゃれに励んで、恋いもして~ってな感じで。

▼▽ネタバレあり▼▽


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