主演:ロナウジーニョ、ゴールに向かってダッシュ!ダッシュ! ★★★★ 84点(100点満点)
「パッション」でガッポリ儲けたメル・ギブソン。柳の下の二匹目のドジョウよろしく、全編マヤ語で挑んだ本作。二匹目のは冗談だとして、「パッション」が英語以外の言語で映画を制作する走りになったことは明らか。「アメリカ人は字幕を読むのに慣れていないのでヒットしない」というジンクスを見事に破った。しかも本作では滅亡したマヤ文明で観客に迫る。
そもそもマヤに関する基本的な知識が乏しいので、映画の中で描かれているマヤ文明が本来の姿を描き出しているかは判らない。映画の冒頭で仲間達と狩りをした後の談笑のシーンでは、姿形はマヤ人なれどアメリカ人ぽい仕草振る舞いを感じる。
ただ、そんなことを言っていられるのもそこまでで、事態が急変してからはラストまで息をつかせぬ展開が始まることになる。注意しておかないとイケないことは、本作ではリアルさを追求したせいかグロいシーンが多いこと、狩りで動物が狩られるのはまだまだ序の口。矢が刺さったり槍が刺さったりと、見ていて痛々しいことこの上ない。このことや他の様々な理由で、テレビ放映は難しく、また放映されるとしても大幅カットは余儀なくされると思うので、興味がある人は今のうちにに映画館で観ることをお勧めする。
▽▼ネタバレあり▽▼
マヤの平和な村の青年ジャガーは、仲間達と狩りに出かけると村を襲われ逃げてきた集団と遭遇した。その後村に戻り身重の妻と普段と変わらない平和な一日を過ごしていたが、謎の集団に村を襲撃されあえなく捕虜になる。その後マヤの都へ連行されるのだが・・・・・
この映画は必ずしもストーリーは濃厚ではないので、これから観る人はココより先を読まないことをお勧めする。パッションもそうなのだが、メル・ギブソンはただ苦痛なだけでストーリー性のないシーンを上手く撮ることに長けている。パッションでのそのシーンは、キリスト教徒によるとそれはそれで意味のある場面らしいのだが(今回の件で触発されたので、近日パッションを鑑賞予定)、無宗教な僕からするとただただ苦痛なシーンを、延々と描いている。今回の作品も同様で、数少ない物語上意味のあるシーンを上手く散りばめて、その他を苦痛なシーンで埋め、それらを神秘的に描き出す技術はすごい。ただ冷静に観ると「パッション」の焼き直しに見えないこともないが。
連行される途中で、疫病に罹った少女に出会い、彼女は予言を口にする。ココまできて「Age of Empires 2(AOE)」というゲームを思い出した。そのシナリオ拡張版「Age of Empires 2 The Conquerors Expansion(AOC)
」にアステカのシナリオがある。それに似ているんですな。ネットで検索するとなるほど、この映画についてマヤとアステカを混同していると議論があるらしく、ゲーム内のアステカに似ている。ただ、正直どこまでがマヤでどこまでがアステカは、素人の僕には判らない。というよりWikipediaで調べても「コレ」だけ。ただ、そんなに深く考えなければ、エンターテイメント作品として楽しめる。ストーリーが深くなくても重厚な作品として作り出しているのは、その人物描写の上手さだと思う。前半で作り出した人間関係が後半のストーリー展開に非情にも活きることになり、映画としての深みを与える。下手するとハリウッド的なアクション大作になってしまうところだが、そこに入らないように踏ん張っているのは監督の力量といえるだろう。辛いストーリー展開にもささやかながらのハッピーエンドと更なるラストの展開がこの作品を一段上の作品に押し上げている。
下手なホラー映画よりもグロいシーンがあるのには注意





コメントする