金髪の座頭市に違和感がない人なら楽しめる作品 ★★★★ 80点(100点満点)
北野監督の作品は元々クセが強くて観る人を選ぶと思う。独特な演技と間、キタノブルーと呼ばれた色遣いと、全体を闇が覆ったようなストーリー。客が入らないとテレビで嘆いていたが、大衆向きな映画ではないので、どこまでネタなのかは判らないが。その中でこの作品は比較的大衆的な作品。独特の間はあるものの他の作品と比べて薄く、他の作品と比べて入りやすい構成になっている。
北野監督にとってこの「座頭市」は初の時代劇作品でり、公開前(公開中?)に松方弘樹と千葉真一が「時代にこびた時代劇は作るべきじゃない。妙な時代劇が定着してしまうのは恐ろしいこと」発言し、物議を醸した作品。千葉御大は「キル・ビル Vol.1
」にも出演していて、「時代に媚びているのはどっちだ」と失笑を買ったのは記憶に新しい。
座頭市は故勝新太郎の代表作であるがそれを知らない大部分にとってはあっさりと受け入れられるのではないだろうか。新しい時代劇を作ると豪語したなりに、悪い意味での時代劇での定番は徹底的に排除されている。座頭市という剣客が大人数の敵・刺客を同時に相手にするための合理的な殺陣も用意されている。間違っても敵に囲まれて、「志村うしろー、うしろー」と言われてしまうような殺陣ではないのだ。動きも素早く斬新と言えるだろう。
▽▼ネタバレあり▽▼
ストーリーも北野作品にしてはわかりやすい。それぞれ過去を持った人物が集まり、物語が進む。その背景をものの数分であっさりと説明してしまうのは監督の力量を感じる。少なくともこの映画に関してはわかりやすさを貫いていると思う。ストーリーのテンポの良さと殺陣の爽快さ、過去の作品にあった独特の間を、音楽的な要素を取り入れた農民が田を耕すシーン、大工が家を建てるシーン、最後のタップシーンで良く埋めていると思う。最後のタップシーンも賛否が分かれているが、個人的には肯定的に評価する。祭りを表現するのにもってこいなシーンで邦画史に残るシーンだと思う。
▽▼さらにネタバレあり(核心部分)▽▼
論議を呼んでいる部分の多くは、僕は賛成側に立つが、1つだけ許せないのがラストの部分。真の黒幕との対決で、座頭市が実は盲目ではないことが暴露されるが、それは あ り な の か ?。座頭が座頭たるモノが盲目なのであって、その核心部分をあっさりと覆してしまうのはいかがなものか?それならば座頭市でなくても良かったわけで、大いに疑問が残るところ。
北野映画に必ず入れるたけしのお寒いギャグも本作ではマシな方だった。
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