少年はハーレイ・ジョエル・オスメントじゃなかったんだ★61点(100点満点)
「マーキュリー・ライジング」を再度見るまで、自閉症の子供を演じているのがハーレイ・ジョエル・オスメントだと思ってた。そういやブルース・ウイルスとハーレイ・ジョエル・オスメントの組み合わせって「シックス・センス
」だもんね。ただ、背格好はそっくり。これは間違えても仕方がないと自己弁護。ただ、そう思ったもう一つの理由が、演技がよいこと。自閉症という難しい役柄をこなしていいる。
▽▼ネタバレあり▽▼
サスペンスとしては良質だと思うのだが、難点はそのストーリー。部分部分でかなりの無理矢理感は否めない。あらすじは・・・
自閉症の少年がが雑誌のパズルを見てそれを解いてしまう。そのパズルには電話番号が隠されており、パズルが解けた人物だけが判るという仕組み。その番号にかけるとNSA(アメリカ国家安全保障局)の非公開番号。じつはそのパズルはマーキュリーという新型暗号システムで暗号化されたパズルだった。あーキュリーの開発担当者は事態の発覚をおそれその少年の命を狙うが・・・
自閉症の一部の人には驚異的な計算能力や記憶力があるのは確からしい。名作「レインマン」でも、その描写がある。それでもスーパーコンピュータでもないのに解けるのかは疑問、というよりも解けやしない。作成鍵と解除鍵を使って暗号分の作成・解除を行うが、パズルに解除鍵が掲載されていているのならそもそもこの子でなくても解けるはず。スーパーコンピューターで暗号を破るのは、暗号の履歴から法則性を発見して解除鍵を推測するために計算すること。いかに天才的な計算能力を有していても、そんな一片の情報からは判るはずもない。
NSAが映画の題材としてメジャーに扱われ始めたのがこのころ。ほぼ同時期に「エネミー・オブ・アメリカ」などでもNSAが出てくることになる。どちらかというと日陰の存在だったNSAが映画がメジャーになってきたのは、インターネットの存在によって、通信の秘匿が重大なテーマになってきたからだと思う。
話を戻すと、NSAが少年の殺害を企てるのはかなり性急なストーリー展開だと思う。映画の中でわざわざそれに対する説明がなされているが、どう考えても不必要。その駆け引きが主要なこの映画で、鑑真の部分が不必要になると、作品としての仕上がりも怪しくなる。物語の中でNSAの技師が、ブルース・ウイルスの刑事に、事実の告白をし、発覚をおそれたNSAによって派遣された暗殺者に殺害される。事態の発覚をおそれたNSAの責任者の中佐の個人的な意向が強くなっていくのが中盤以降。そうなると、敵の存在が一気に個人レベルまで小さくなる。最終的には、個人の名誉欲に溺れた官僚が、自分を守るために暗躍する悪代官的な作品にまで落ちることになる。
刑事のある種のパートナーである、この少年を自閉症児にしたのは疑問。暗号を解読したというコトのみに活用されただけで、刑事とのコミュニケーションもなく、映画内での位置を難しいモノにしている。
政治的な駆け引きと実力行使(暗殺・襲撃など)が織り込まれているのは面白いが、所詮同じアメリカ内の機関同士で、ココまでの事態に発展するのに違和感が残る。その辺りがこの作品にリアリティーが欠ける部分ですな。
ブルース・ウイルスの刑事役は多いが、考えてみたらまともに市中の犯罪者と闘う作品って少ない気が・・・





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