ここのところ、一昔前の映画をよく見ているんだが、現在の映画と比べて映像は確かに昔ながらのモノがあるが、全体の完成度という意味では全く劣っていない。というよりもむしろ昔の映画の方が良いと思えてくるのはオヤジの郷愁だろうか。
映画というのは総合芸術だと思っている。単に映像美や演技だけでなくて、演出、脚本、音楽などがすべてかみ合ってこそ、いい作品にできあがるのだと思う。CGの導入によって、不可能な画像というのが無くなった。昔の映画なら「これはどうやって撮ったのだろうか?」といったシーンがあって、それを追求してゆくのも一興だった。派手なアクションも撮影技術とスタントのせめぎ合いだったように思える。ただいまとなれば、「CGでしょ」というひと言で片付いてしまう。
CG革命は、それを追求とした演出になり、自然と派手なシーンが求められるようになる。CGはそれに対してものの見事に応えていくのだが、より派手なシーンを追求するにあたって、ストーリーよりも派手なシーンを撮ることに主眼が置かれた脚本が出てくるようになる。より強い刺激をという欲求はある種のクスリの中毒と同じで、もはや止めどがないところまで来てしまっている。
「ダイ・ハード4.0」を見て自称アナログ人間が主人公の映画が見事にデジタル化していることに違和感を感じた。面白い映画ではあったけど。もちろん、息をつかせぬイベントの連続がある映画も悪くはないが、もう少し落ち着いた映画があっても良いと思う。
タモリが番組長寿の秘訣として、「反省しないこと」とともに「薄味なこと」を挙げたのを覚えている。濃い味は強烈に印象が残るけど飽きが来て長くは続かない。しかし薄味は最初は物足りないけど長く食べられて次第に馴染むようになると言った趣旨だったと思う。いまはハリウッド全体が濃い味になっている。次に出す映画はより濃いものでないと、刺激を与えられないのでどんどんと濃くなっていく。結果としてネタ切れになって大味に飽きが来ているんだと思う。ここ数日古い映画を観たけれど良い映画は何回観てもおもしろい。今となっては新しい要素は皆無だが、それが逆に刺激になって新鮮さを与えてくれる。いっそCGをやめてみたら。





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